CANTINA - ワイナリー -

ダビデ・ヴィニャート
ガンベラーラで生まれ育ったダビデ・ヴィニャート。幼少期の頃から放課後に父のブドウ畑を手伝いながら、大地と自然のリズムを学ぶ。徐々にブドウ栽培に魅了され、数年間農業を学んだ後、18歳という若さで自らの名を冠し家族のワイナリーを引き継ぐ。
ガンベッラーラDOCで初めて認証付きのオーガニックワインを造り手であり、ガンベッラーラのワインが持つミネラルの魂を引き出し、表現する。
1997年、当時18歳のときに「ダビデ・ヴィニャート」として立ち上げたのだが、当時父(ジャン)がセラーの近代化を諦めワイナリーを閉鎖していた時期でもあった。そこからはダビデ自身で試行錯誤と熟考を重ねいくが、時は進む一方だった。2006年に家族の協力を得てセラーを再開を決意し、ワイン造りの再スタート切った。同年9月にダビデ・ヴィニャートとして最初のヴィンテージワインを醸造することに成功し、2010年には、ミケーレ・ロレンツェッティとカルロ・ノーロからバイオダイナミックブドウ栽培も学び、 食べたり飲んだりする製品に化学物質が存在するべきではないを理解し、オーガニック認証と初のナチュラルワインの製造も開始しました。
設立当初から、化学薬品をほとんど使わずにワインを造るため、オーガニックワイン造りの研究に情熱と時間を費やし、2013年以降、ついにすべての生産は自然のままで、土着酵母を使用し、強制栽培は行わず、亜硫酸塩はごく少量しか使用しないワインを完成させました。
『ワインは、土地・人・自然への敬意から生まれるもの』とし、土地の自然と伝統を尊重しながら、
’’ナチュラルでありながら、安定して美しく仕上がるクリーンなワイン造り’’に取り組んでいる。
自然派ワインを造り出すための「発酵」

ダビデは醸造で最も重要なのは「発酵」だと考えています。
良質なブドウを使い、スターターとして「ピエ・ド・キュヴェ(天然酵母培養液)」を用意し、2日目以降はたっぷりと酸素を与える(発酵中は1日24時間でも酸素供給)ことで酵母がよく増殖し、発酵がスムーズになると言っています。
白ワインでは、発酵終了後から翌年2月まで、週に1回「バトナージュ(澱の撹拌)」を行うことで、酵母の自己分解が進み、ボディが豊かになり、酸化的要素を取り除くことが出来ます。
ナチュラルワインは瓶詰前の春までタンクでじっくり熟成させています。
自然派でありながら、技術的にもクリーンで完成度の高いワインが造られています。
火山地帯ガンベッラーラにある"ダビデ ヴィニャート農園"
- ガンベッラーラの火山地帯
- イタリア ガンベッラーラ
ガンベッラーラは、古代の火山の上に築かれ、何世紀にもわたってガルガネーガやドゥレッラのブドウが栽培されてきた場所であるだけでなく、今も尚、自然が残っている場所にあります。長年にわたり、ガンベッラーラ地区は、あらゆる場所にブドウ畑が見られるような単一栽培の地域ではないのです。
ガンベッラーラの丘を歩くと、非常に多様な自然に気づく事ができます。ところどころで黒い岩によって覆われた、とても急な傾斜があります。ブドウ畑だけでなく、オリーブ、ブナ、アカシア、アモロ、ヒイラギなど多種多様な植物が生い茂る森や、牧草地、サクランボ、アプリコット、桃などの果樹も見られる地域になります。
■ガンベッラーラの気候
ガンベッラーラの地域は比較的雨が多く、近くのガルダ湖から来る雲が、丘陵地の「自然の円形劇場(アンフィテアトロ)」のような地形でせき止められ、雨をもたらします。またこの地域は風も強く、すぐ背後にある「小ドロミーティ山脈(Piccole Dolomiti)」が標高1000m以上にも達し、そこから冷たい空気が平野部に向かって流れ込むため、常に良好な空気の循環が保たれているのです。
受け継がれてき土地での自然なブドウ造り
有機栽培は、 肥料や化学要素を排除するための第一歩であり、それによって ワインが生まれた地域の本質を最大限に表現しています。ブドウ畑のニーズに応じて栄養を与えることで、日ごとに深まり、ワインの真の香りと風味が解放されるようになります。
何世紀にもわたって受け継がれてきた技術を使って、ブドウをワインに変え、化学物質や添加物を加えず、またワインの味やこの地域の本来の特質を変えてしまうことなく、欠陥のない、ブドウとその産地の特質を備えたクリーンなワインが造られています。

土壌、気候、季節、自然との関わりから健康的で完璧なブドウが生まれます。ブドウは、地域の特有の個性を持ち、それを忠実に反映するのです。サイズは小さくても、味は無限大です。
これこそがワイン造りに欠かせない材料の一つとなります。
丘陵地帯にあるダビデ・ヴィニャート農園の本質を最もよく表現しているブドウは ガルガーネガ です。ドゥレッラ、グレラ、シャルドネ、メルローのブドウも栽培しています。
伝統的なヴィチェンツァの開放型パーゴラ仕立てとギュイヨ式仕立てを併用し栽培し、 収穫時には手で大切に収穫されています。
ガンベッラーラの土壌を生かしたブドウ畑

ガンベッラーラの土壌には 火山起源の黒い玄武岩が豊富に含まれており 、火山ワインとも呼ばれています。ワインに素晴らしいエレガントさとフレッシュさに加え、ブドウに力強い酸とミネラル感を与えます。
小さな死火山はガンベラーラの中心部からそれほど遠くなく、ワイナリーからわずか 500 メートル離れたところにあります。

14ヘクタールの自社畑はミネラル豊かな土壌に広がり、緑肥などの自然な方法で土壌の健全さを保っています。
ダビデは、一本一本のブドウ樹を人間のように個性ある存在と捉え、それぞれに適した丁寧なケアが必要だと考えています。
有機やビオディナミといったラベル以上に、大切なのは「賢明な農業」であるという信念に基づき、畑と向き合う事が大事だと考えいます。
剪定は毎年、枝の節間の長さや太さ、樹の勢いを観察しながら、その年に合った方法で丁寧に行われます。
また、緑肥を使って土壌の栄養を回復させ、収穫後には土に空気を含ませることで、根もしっかりと呼吸できる健全な環境を整えています。
歴史あるガンベッラーラ火山ワイン
■ガンベッラーラの歴史
ガンベッラーラの丘陵地では、13世紀のエッツェリーノ・ダ・ロマーノの時代から、「スキアーヴァ(Schiava)」という品種が支柱だけで栽培され、サン・マルコ城やモンテセッロの斜面では有名な甘口白ワインが造られていました。少なくとも2~3世紀にわたり、丘陵のふもとやトリッシーノ家、サレーゴ家の封建領地では、日当たりのよい丘の斜面でこの品種が主に栽培されていました。
1468年以降、特に16世紀に入ると、「ガルガネーガ」がこの地に広がり始め、時にはスキアーヴァを置き換えるようなかたちで、ガンベッラーラの丘や南東レッシーニ山地に定着していきました。一時的な低迷期を経て、険しい丘や森林に覆われた谷間の斜面は、地元の農民たちの手で開墾され、彼らは小作人や労働者から自ら土地を持つブドウ農家へと変わっていったのです。
■生産者から日本の消費者様へ
日本市場については詳しくありませんが、日本の方々の人への敬意や、他者の仕事に対するリスペクトには昔から惹かれてきました。
私が提案したいのは、その土地と、それを育てる人々に敬意を払ったワインです。それはまさに日本文化とも通じるものだと思います。
ダビデ・ヴィニャートより